無題

 

泊まり現場帰り、久々に歌っているおじさんを見た。(2019.10.11.参照)サンタ帽を被っていた。はじめて立ち止まって聞いてみたがやっぱり自分の好みではなかった。ホームレスのおじさんもいなかった。人通りはそこそこあったが他に立ち止まる人もいなかった。それでもあの時と変わらず歌っている姿がなんだか嬉しかった。聞いてくれる人増えるといいね。

無題

 

毎朝通りかかる理髪店。赤と青と白がクルクル回るサインポールが入口の横に立っているような昔ながらの雰囲気。出勤する時に通りかかる時間帯にはすでに開店していてとくにお客さんが来ているわけでもないのに店を開けて椅子に座って新聞を読むおじいちゃん、その近くでお茶を飲むおばあちゃん。それが毎日の光景だった。もちろんお客さんも入っているようで昔ながらの理髪店にありそうな椅子におじいちゃんが座っておじいちゃんに髪を整えてもらっているところも何度も見たことがある。今日もいつもの様に店の前を通った。いつもと違うのは「12/7(水)から休養します。」と書かれた貼り紙。ほぼ毎日営業していた、年齢もかなりいっていただろう。その夫婦と顔見知りなわけでもないし、挨拶すらしたことはない。でも、またいつかいつもの光景を見られる日がくることを願う自分がいた。

 

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11月

11月22日はいい夫婦の日らしい。
この日になると毎年SNSには婚姻届を出したカップル達が多く出現する。役所の人はこの日は休めなそうだなぁとかそんなことを考えて最近発売したポケモンをプレイしていた。知り合いの人がいい夫婦の日の日ってなんでできたのか知ってます?というので知らないと答えるとシャイな日本人が大切な人に想いを伝えるためにできたんですって〜と教えてくれた。11月は祝日こそはあまりないが、ポッキーの日だのいい夫婦の日だの色々とある。日本人はイベントが大好きだなとか他人事のように思ったが、そういえば11月11日食べましたポッキー。そりゃレジ横にあんなに豪快に並べられていたら興味がなくても買いたくなってしまう。まんまと商法にのせられているなと思いながら、悪くはないなとも思っている。やっぱり日本人だなぁわたし。だから11月22日にあやかって大切な人に想いを伝えることにしよう。いい休日だった。

 

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2019.11.3.

 

私の自宅から徒歩5分の場所だった。
そこにはたくさんの人が集まっていた。小学生くらいの子から年配の方まで。200人くらい入るであろう座席は始まる前から既に埋まっていて、全員がお焼香できるように多分2、3回は回していたと思う。もう二度と目を覚まさない先生の周りには見たこともないくらいたくさんの花が手向けてあった。先生は花が好きだった。Facebookによく花の写真をあげていたのを覚えている。こういう場面では白い百合などのイメージがあったが、赤やピンク黄色などカラフルな花がかわいく配置されていた。最近はそういうのが多いのかはよくわからないが、とにかく先生らしいなと思った。あんなに大きな規模のお通夜ははじめてだった。市長などからのお言葉もあり、今更だけどすごい人だったんだなと思った。自分が死んだ時、何人が駆けつけてくれるのだろうか、悲しんでくれる人は、涙を流してくれる人は、何人いるのだろうか。一瞬考えてやめた。先生みたいに自分には形のある生きた証がない。何か記録に残ることもしてないし、人に何か影響を与えるような人間でもない、それでも自分の大好きな人達数人が何か感じてくれればいいなと、それだけでいいなと思う。別に悲しんでくれなくてもいい、笑って見送ってくれればいいかな。先生。私に音楽を教えてくれてありがとう。音楽と出会わせてくれてありがとう。そっちで待っててください。またみんなで音楽しましょう。

 

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Age Factory

 

2019年10月13日。

 

増子さんのブログを読みながら開演を待った。名古屋ソールドははじめてらしい。知らなかった。名古屋で苦労してきたなんて東京での彼らしか知らない私には想像もつかなかった。台風19号ハギビスの影響もあり開催も危ぶまれた公演。当日券もなしの完全Sold out。私を東京から名古屋に連れていってくれた鉄道会社の人達とチケットを譲ってくれたカーキのTシャツに黒のベレー帽のオシャレなお兄さん、開催を決めてくれたスタッフの人達、Age Factory、たくさんの人に感謝しなくてはならない。みんなにありがとうと心の中でつぶやいていると、ある程度フロアに人も入ってきてそろそろかなとイヤホンを外した。するとスタッフさんが「あと50人ほど入るのでできるだけ前に詰めてください。」と言っていた。まだ入るのか。池下のビルの5階にある小さなライブハウスはすでに人でパンパンだった。全員がAge Factoryを見に来たというのだから本当にすごいことだと感動していたら、TECHさんのマグライトを合図に暗転。インカムのないライブハウスでよく見るこの光景は嫌いじゃない。SEが流れた。いつもと違う曲だった。増子さんが1番最初に入場してきた。スローンの前に立って数秒ほどフロアを見つめていた。何を思っていたのだろうか。ブログを直前に読んでいたからこそ、気になった。だが考える暇もなく直人さんとエイスケさんも入場し、大きくなるノイズと共に高鳴る鼓動を感じながら彼らの一音目を今か今かと待ちわびていた。音が切れた瞬間流れ込んできたのはRIVERのイントロ。フロアは一気に揺れた。

 

歌いたい奴は歌え。踊りたい奴は踊れ。音に身を任せろ。来れなくなった人達もいるかもしれない。けど、今は楽しめる奴らで楽しもう。そうやって最高の夜にしよう。

 

See You in My Dreamでも聴きながら電車に揺られて帰ろう。おやすみ。さよなら、また。

 

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無題

 

神田の飲食店でバイトをしていた頃、毎日の様に終電帰りをしていた時期があった。その時自宅最寄り駅の北口のデパートの前で毎週同じ時間にギターをかかえてあぐらをかいているおじさんがいた。何曜日だったかは思い出せないけれど、通り過ぎる度にあ、またあの人だと思っていた。その人の歌を立ち止まってじっくり聞いたことはないが、私の好きなタイプの曲を歌っているわけではないというのは通りすがりでも十分にわかった。そのうち3回に2回くらいは隣にホームレスと思われるおじさんが座っていて曲の合間に親しげに話しているようにも見えた。数日前終電帰りにいつものようにその場所を通った時、そんな人がいたなぁとふと思い出した。たまたまその曜日じゃなかっただけであの人は今もあの場所で歌を歌っているのだろうか。ホームレスのおじさんは元気にしているだろうか。日常にあった規則的な出来事は自分の生活の変化に気づかされることがある。もしまた見かけることがあったら今度は立ち止まってみようと思う。

無題

 

電車に揺られながら聴くAge FactoryのHIGH WAY BEACHが好きだ。流れる外の景色とイントロがまるでMVの世界に入ったような錯覚を起こさせる。

 

HIGH WAY BEACH
海のない奈良で見える幻の海。
AM3:00-4:00にしか現れない。

 

厳密に言うと朝方に高速道路で聞こえる浜辺のような音のことだけど、人はその時間になると海が見えると言う。たった1時間の魔法なんだ。

 

いつか見てみたいな。